2013年8月21日水曜日

[映画感想文]ローマ法王の休日(2011)を観ました。

wowowでちょっと予告見た際に面白そうだったので録画してみました。ローマの休日を
パロって法王がこっそり街中を出歩いてどたばたをやるコメディー?とか思ったんよ。

…いや違うね、これはなんかすごい映画だよ。
善良な一人の老人が、多大な期待と責任を押し付けられ、それにより苦悩し逃げ出してしまう。
その結果どんな結末がーという悲劇でないかな。


さて話は前法王崩御によりコンクラーベが行なわれる事から始まるわけですが、最初一時的に
停電するというアクシデントからスタートです。そして有力候補が3人居るわけですが決まらず、
しかもみな口々に法王にはなりたくないと祈ってしまっています。そして最終的に法王になった
のは、今迄まったく名前も出ていなかった主人公。これつまりさ、有力候補3人ともがこのままじゃ
法王が決まらないし、自分はやりたくないしで結託してスケープゴート仕立てちゃったって事だ
よね。不幸すぎるわ。

そしてバルコニーに出る寸前、主人公のメルヴィルは精神的にいってしまい挨拶をせずに逃げ
出してしまいます。その後カウンセリングを受けるも制約のきつい中効果があるわけでもなく、
そしてついには外部でカウンセリングを受けに言った際に逃げ出してしまいます。

逃げた先でも法王が現れない異常事態についてのニュース、自分の人生が今迄空虚であった
事等を痛感してしまいさらに沈む結果に。そしてバチカンでは法皇様法皇様と周囲の人達の
熱も冷めずというかなりの温度差。


…なんというかね、主人公はほんと善良な普通のおじいちゃんなんだよね。なのでしっかり
法王としての責務が果たせるのならかなり人気も出そうな人なんだけど、普通の人過ぎて
耐え切れず不幸なんだよね。他の登場人物が問題を抱えつつも自分の職務を果たそうと
動いてるから余計に対比が出てきっついわー。


ラストはこれは日本人的感覚では「え?」って感じの終わり方ではあるんだけど、こう終わらす
しか無いってラストです。でもこのラスト故にこの作品はただの悲劇だけじゃ良い作品に
なってる気がします。出てくる人もさ、みんななんだかんだで善良なんだよね。法王をこう
扱って映画にしちゃうのかと思いつつこう扱えれる身近とでも言うかな良い存在なんだなと
思えたよ。日本人はいまいち宗教観がないわけですが、ああこういうものなのかもなと
ちょっと触れてみつつ、結局人間はこういうものだねと、なんだか納得な作品なので、
機会があれば是非に。

#映画感想文

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