2014年9月9日火曜日

[小説感想文:黄昏の岸 暁の天/著:小野 不由美]条理がある事の不条理

やっとスタート地点ですよ!
これはベルセルクを思い出すよね。ずっとガッツの回想でやっと年代が今になってスタートだよ的な。

さて今回の話ですが、魔性の子で蓬莱へと泰麒が流されたわけですが、その時十二国側では何が起きていたのかの話です。どうして泰麒は蓬莱に行ってしまったのか、蓬莱ではどんな生活だったのか(主に使令が)、そして十二国側どうやって泰麒を探し連れ帰ったのかです。

今回の大きな見所は陽子かな。物事を知らない人物を読者に据える事で、その人への説明、経験をさせる事で読者に知らせるわけよ。陽子が天の摂理を知らないがゆえに色々と判明しそれに李斎も加わるわけだけど、「覿面の罪」から天の条理に関する話となっていきます。

天が仁道をもって治めよいうのになぜ王は失道するのか、その王は天命、天によって選ばれたはずなのに。
この十二国の世界のルールを深く突っ込まれていき、垣間見えます。そして延王などに天の条理とはどういうものか、そして外から来た陽子だからわかる矛盾と見えるものが語られます。

十二国の世界には天が定めた法があるわけけど、これって現実世界における国の法則なんだよね。なら神はいるのか?いるなら何故完全な世界を作らないのか。

今回は十二国に住む人達の話で、無関心だった国々が協力する流れに!という盛り上がりのある話でもあるのですが、そもそもこの十二国という不可思議な世界はどういった成り立ちでどんな法則で動いているかの謎を探求する話でもある、とても興味深い話になってます。

ファンタジーの場合、設定を決めるとそういうものだとしてキャラ間の話を突き進むわけですが、その世界自体にまで踏み込んでいくのは楽しいね。スレイヤーズで魔族や世界に関して明かされていく時の同じでさ。

という事でルールがどういうものであり、どう越えれるかを模索しだした十二国はまだまだ目が離せませんな。


#小説感想文

0 件のコメント:

コメントを投稿